表舞台に出てくることも多かった楽天・石井一久GM (c)朝日新聞社
表舞台に出てくることも多かった楽天・石井一久GM (c)朝日新聞社

 先日、2019年の「今年の漢字」が発表され、「令」に決まった。だが、プロ野球の各球団にとっては、それぞれが違う一文字が相応しいだろう。長かったペナントレースを総括し、セ・パ12球団別にやや強引にでも「今年の漢字」を決めてみたい。

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■西武 『連』

 前年の優勝チームからエースと主将が抜けた中、夏場以降に打線が連日連夜の爆発劇を見せて逆転優勝。投手陣ではニールが11連勝の快進撃を見せ、見事に21年ぶりのリーグ連覇を果たした。その後、クライマックスシリーズで再び敗れる結果になったが、黄金時代を連想させるシーズンになった。

■ソフトバンク 『鬼』

 主力に故障者が続出する中でも開幕から首位を快走。夏場以降に西武の猛追を受けて残念ながらV逸となったが、クライマックスシリーズから日本シリーズで破竹の10連勝。工藤公康監督の鬼采配によって球団史上初となる3年連続日本一を達成した。結局はホークス。戦力さえ揃えば、やはり鬼のように強かった。

■楽天 『奮』

 石井一久GM体制を敷き、オフから資金を奮発して積極的な戦力補強を敢行。開幕当初から則本昂大、岸孝之の先発二本柱を欠く状態となったが、そのピンチに他の面々が奮い立ち、上位争いを続けて3位となった。特に、投手陣では松井裕樹を守護神とした救援陣、打線ではFA加入した浅村栄斗、新外国人のブラッシュら中軸の奮闘が目立った。

■ロッテ 『希』

 Aクラス入りの期待を抱かせながらも4位。それでも井口体制1年目の5位からは順位を一つ上げ、何より本塁打が倍増するほどの攻撃力アップに成功した今季の戦いは、今後に大きな希望を持たせた。チームには若い逸材たちが揃い、さらに今秋のドラフトでは最速163キロ右腕の佐々木朗希の獲得に成功。ロッテの未来は希望に満ち溢れている。

■日本ハム 『失』

 7月終了時点で首位に0.5ゲーム差の2位に付けながら、8月半ばから9連敗&8連敗の急失速で一気に順位を下げ、最終的に5位でシーズンを終えた。その要因は、投手陣では開幕投手を務めた上沢直之を故障で失い、打線ではレアードを失って長打力不足に陥ったこと。栗山英樹監督がオープナーなどの新戦術を駆使したが、Aクラス入りには結び付けられなかった。

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