■“星空”も楽しめる高原列車「HIGH RAIL 1375」

 八ヶ岳の東麓を往く小海(こうみ)線を走っている観光列車が「HIGH RAIL 1375」だ。

 小海線の走る清里(きよさと)~野辺山(のべやま)間で、一般的な鉄道における日本最高地点となる標高1375メートルを記録するなど、日本一の高原路線。列車名「HIGH RAIL 1375」の由来ともなっている。

「HIGH RAIL 1375」は小海線で運行されているキハ100・110系の改造により2017年にデビュー。キハ103-711とキハ112-711の気動車2両編成で、バラエティに富む車内設備が自慢だ。

 小淵沢寄りの1号車はテーブルを備えたボックス席のほか、窓向きに2席ずつを配したペアシート、ヘリンボーンふうに斜に並ぶシングルシートと多彩な座席を用意。車端部には物販カウンターがあり、アテンダントによるオリジナルグッズなどの販売が実施されている。

 2号車はリクライニングシートを配置。車端部にあるギャラリー「HIGH RAIL」に設置された半球型ドーム天井を生かした星空映像の上映などが楽しめる。

 列車は小淵沢(こぶちざわ)~小諸(こもろ)間で週末を中心に1日1往復が運行されている(小淵沢行きは「HIGH RAIL 星空」として運行)。今シーズンの「青春18きっぷ」期間でこの列車に乗車できるチャンスは1月4・5日のみ。それだけに、この“天空に近い列車”に乗れたら特別感もひとしおかもしれない。

 なお、乗車には別途に指定券(大人840円/子ども420円)が必要。また、小海線は小淵沢以外ではJR在来線との接続がないため、往復か乗車券を別買いのうえ、小諸でしなの鉄道との乗り継ぎとなる。
 
■山岳車窓を満喫! 「リゾートビューふるさと」
 
 もうひとつ、信州から「リゾートビューふるさと」もおすすめしたい列車のひとつ。長野と南小谷(みまみおたり)との間を信越本線・篠ノ井線・大糸線経由で結ぶ臨時快速列車で、「ゆとりとおもでなしのリゾートトレイン」をテーマに週末を中心に運行されている。

 現在、このルートを直通するのは「リゾートビューふるさと」のみ。沿線には善光寺平の絶景が展開する姨捨や、刻々と姿を変えてゆく北アルプスの山並など山岳絶景が次々と現れ、小海線とはまたひと味違う高原列車の旅が楽しめることだろう。

次のページ
「リゾートビューふるさと」には絶景だけでないポイントが