こうした動きには、最近になってCAの採用枠が少しずつ広がっているという背景もある。これは外資系航空会社が加わったことによる。

 多くの大学でCA就職者を増やしているなか、前年比で大きく減らした大学がある。22位の早稲田大だ。19年は18人。18年が35人だったので、ほぼ半減したことになる。なぜだろうか。早稲田大の関係者はこう説明する。

「CAは福利厚生が他業種に比べて抜群に良くて人気が高かった。結婚、出産後、30代になってから復帰できる道も示してくれる。総合職に移って幹部候補生になることもできる。しかし、銀行、商社、メーカーも、女性の福利厚生面がかなり良くなった。人材不足もあり、優秀な女子学生には内定が出やすくなった。CAが選ばれなくなったというより、他業種の条件が良くなったからでしょう」

 とはいえ、CA人気はまだまだ続きそうだ。4~5年前に比べ、大学はCA養成にかなり力を入れるようになった。学生や高校生にとっては憧れのCAになれるから、一方の航空会社にとっては優秀なCAを採用できるからだ。国は政策として専門職育成を掲げている。この方針に沿う形で、近い将来、CA学科が誕生するかもしれない。

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫