【CB】


1位;チアゴ・マルチンス(横浜F・マリノス)

 1対1の場面においてはJリーグでは無敵状態で、シーズンを通じても単純に突破されたシーンは片手で足りるほどしかないのではないか。ハイラインの背後はGKの朴も幅広くカバーしたが、それ以前にチアゴが瞬時の反転と逆走で追い付いて、無難に処理してしまうケースが多かった。加入1年目だった昨年もそうした能力を断片的に見せていたが、全体のバランスが良くなった。今シーズンは組織的に機能したなかで生じるカウンターのケア、サイドを突かれた状況での中央の対応など、やるべきことが整理された中で個人能力を発揮できていた。パフォーマンスの最大値はジェジエウ(川崎フロンターレ)も驚異的だが、やはり出場停止の第21節・清水戦をのぞいて出場したシーズンの安定感は高く評価するべきだ。

2位:マテイ・ヨニッチ(セレッソ大阪)

 安定したディフェンスで支え続け、守護神キム・ジンヒョン、木本恭生らとリーグ最少失点に大きく貢献した。規格外のFWがいるチームほど見せ場はあるが、まず就任1年目のロティーナ監督の戦術を理解して、最終ラインから組織的な守備をオーガナイズした上で、必要なら個の力を発揮する。そうしたプレーを整理できることは外国人DFがJリーグで成功する条件であり、マテイ・ヨニッチは理想像だ。最少失点と言えば相棒である木本の貢献も見逃せないが、第33節を欠場、最終節は19歳の瀬古歩夢が起用され、ベンチで無失点勝利を見届けることになったため、シーズン通しての評価は少し下げざるを得なかった。

3位:谷口彰悟(川崎フロンターレ)

 三連覇を逃し、4位に終わった川崎フロンターレで、シーズンを通してパフォーマンスが安定しており、チームを支え続けたことは評価したい。ビルドアップの正確性、インターセプトと攻守両面でチームを支えたことは素晴らしいが、第13節の鳥栖戦など前半戦で失点に直結するミスが敗戦につながった試合もあり、ACLでもクリアミスが敗戦につながったこともあった。ただ、奈良竜樹の長期離脱や一時期、驚異的な強さを見せていたジェジエウの怪我など、相棒が次々と変わる中では全体的に高評価に値する。シーズンを通してFC東京のディフェンスを支えた森重真人も甲乙つけがたかったことを付け加えておく。

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サイドバックは日本代表でもあるこの人