FC東京の守護神・林彰洋 (c)朝日新聞社
FC東京の守護神・林彰洋 (c)朝日新聞社

【GK】
1位:林彰洋(FC東京)

【写真】本田圭佑選手似?の猫

 全体的に手堅いFC東京のディフェンスを支える形なので、ひたすらハイラインで攻撃を進めるチームのGKに比べると、地味な存在になりやすい。しかしながら、しっかりと組織を構築し、強引に蹴られたロングボールやクロスボールをキャッチして次の攻撃につなげる役割は安定していた。また、攻撃に切り替わった瞬間にチャンスがあれば高速の2トップを裏に走らせるロングフィード、高い位置まで上がったサイドバックへの展開など、高木や朴ほど正確な小技ではないものの、確実に攻撃の起点として機能していた。ただ、GKのせいではない失点も本人が「あそこで止められれば」と悔やむ、惜しかったシーンも少なくなく、サイズを生かしたセービングにボール1個分、2個分の速さ、質を加えていければ代表復帰も射程圏内だろう。

2位;高木駿(大分トリニータ)

 攻撃と守備トータルの働きが求められる現代のGKを象徴する活躍で大分トリニータの躍進を背後から支えた。攻撃では正確なビルドアップや高速フィードで起点になり、守備では広範囲かつ的確なポジショニングで多くの危険の芽を摘んでいた。似たスタイルで横浜F・マリノスの優勝を支えた朴との単純比較はできないが、難しいシチュエーションでのセービングに加えて、カバーからダイレクトのキックでそのままカウンターのチャンスに繋げるなど、ポゼッションとカウンターをうまく使い分ける大分のスタイルをそのまま反映していた。

3位:朴一圭(横浜F・マリノス)

 横浜F・マリノスのスタイルにすんなりとフィットして、飯倉大樹(ヴィッセル神戸)からポジションを奪い、彼の移籍後はそのまま継承して押しも押されもせぬ守護神となった。ほとんどの時間帯でハーフコートマッチのようになる状況から広範囲をカバーし、たまに押し込まれた場合でも落ち着いて対処していた。何より11人目のフィールド選手として相手のプレスをいなして効果的な攻撃につなげる役割は出色だった。韓国籍なので日本代表に推すことができないのは残念だが、ACLでインパクトを残せば韓国代表パウロ・ベント監督の目に留まってもおかしくない。

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センターバックは圧倒的な強さを誇ったあの助っ人