投稿用の写真をスマホで撮影するゆきこさん(撮影/写真部・小黒冴夏)
投稿用の写真をスマホで撮影するゆきこさん(撮影/写真部・小黒冴夏)

23日に発売された、ゆきこさんの著書、「ズボラでも楽しく1000万円貯めた! 貯金0円からのゆきこの貯まる生活」(エクスナレッジ)
23日に発売された、ゆきこさんの著書、「ズボラでも楽しく1000万円貯めた! 貯金0円からのゆきこの貯まる生活」(エクスナレッジ)

 マイホーム購入の夢をかなえるため、インスタグラムを始めた主婦ゆきこさん(31)。節約術や時短料理などを紹介する投稿が人気を集め、開設から2年でフォロワーは13万人に達した。“普通の主婦”はいかにして人気インスタグラマーになったのか。ストーリを追った。

【画像】ゆきこさんの著書はこちら

*  *  *

 神奈川県に住むゆきこさんは2児の母だ。大学を卒業後、愛知県の企業に入社。そこで現在の夫と出会い、2014年に結婚。15年に長女を出産した。当時の世帯年収は900万円で、月に数回は外食、連休は旅行と貯金とは無縁の暮らしぶりだったという。

 そんな一家に変化が訪れたのは16年のことだった。一軒家を購入するためFPに相談すると、夫の収入では希望していた額の住宅ローンは組めないことがわかったのだ。

「希望額とFP(ファイナンシャルプランナー)の提示額には1千万円くらいの差がありました。夫はかなりショックを受け、その3週間後に転職を決意しました。不安はありましたが、私も夫についていく形で退職することにしたんです」

 16年秋、ゆきこさん一家は神奈川県に引っ越した。理想の家を購入するための決断だったが、夢をかなえるためには夫の収入を増やすだけでは足りなかった。

「夫も私もお金に無頓着な性格で、貯金はゼロ。その場の思いつきで外食したり、コンビニで買い物をしたり、そんな無駄遣いばかりを繰り返していました。試しに外食費やコンビニで使ったお金を計算してみたら月7万円を超えていたんです」

 このままではいけないと危機感を抱いたゆきこさんは一念発起。17年春に「家計を整える」「お金を稼ぐこと」を固く心に誓った。

 だが現実は甘くはない。引っ越した後に次女を授かり、ゆきこさんは育休に入る。子育てと家事に追われる日々が続き、「家計を整える」はともかく、「お金を稼ぐ」余裕などなかった。

「そこで目をつけたのがインスタグラムでした。以前から通勤時間に節約系のアカウントをよく見ていました。育休が終わり、復職した後、『これだったら私にもできるかも』とアカウントを作ってみたんです」

次のページ