演技力は折り紙付き。高畑充希 (C)朝日新聞社
演技力は折り紙付き。高畑充希 (C)朝日新聞社

 10~12月クールの各ドラマがいよいよ佳境に入ってくるなかで、“成績表”が出始めてきた。中でも、スタート直後はさほど期待されていなかったものの、安定して2桁の視聴率を取り続けているのが日テレの水曜日22時から放送している「同期のサクラ」だ。

【画像】高畑充希の代表作「過保護のカホコ」はイライラする!

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 今クールでは、木村拓哉主演の「グランメゾン東京」(TBS)をはじめ、「ドクターX」(テレビ朝日)のような手堅い作品や、「まだ結婚できない男」(フジテレビ)、「時効警察はじめました」や「おっさんずラブ」の第2シーズンなど話題作が目白押し。「同期のサクラ」は初回~3話まで1桁台の視聴率で、厳しい戦いを強いられていたかに見えた。しかし、中盤以降に視聴率がアップし続けているのだ。その要因はなんだろうか。

「今作と同じく高畑充希の主演でヒットした、『過保護のカホコ』とプロデューサーや脚本、演出といったスタッフ陣が同じなので、のびのびやれている感じがしますね。『過保護~』は高畑が、朝ドラ『とと姉ちゃん』出演後、初めての民放ドラマ初主演作。更に当時、朝ドラ『ひよっこ』でブレークしたばかりの竹内涼真が相手役と話題満載でした。本作は、橋本愛や新田真剣佑など人気俳優が出演してはいますが、話題作りという意味では少し弱かった。ですから、スタート当初は芸能ニュースでネタにされにくかったんですよね」(スポーツ紙の芸能担当記者)

 ニュースにならなかったとは言え、連ドラや舞台でそれなりの結果を残している高畑。CMへも多数出演しており、特に“美味しいそうな食べ姿がすばらしい”と評判で、フード系のCMに頻繁に出演を重ねている。中でもケンタッキーのCMでは、売り上げが上がったのは、“高畑の食べ姿”のおかげではないかという声があがるほど。そんな風に評価をあげつつある高畑を、自由に“遊ばせている”のが遊川和彦による脚本だという指摘もある。 

「このドラマの売りは『高畑充希×遊川和彦』で、番組表などでも積極的にそれを謳っています。遊川さんは日テレでの仕事がヒットに繋がっているケースが多いんですが、『同期のサクラ』は見事に流れに乗っているように見受けられ、高畑さんもやりたいように演じられているのではないでしょうか。 なにより、無難に視聴率を狙える医療・刑事モノや原作モノが多い中で、オリジナル脚本に真っ向から挑戦し見ごたえあるものに仕上がっている。日テレの志の高さが、現場から注目を集めています」(民放ドラマプロデューサー)

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遊川脚本の見事さ