■3位:長野久義(広島)

 内海と同様にFA補償選手として移籍。巨人のスター選手のまさかの移籍に、リーグ3連覇中に2年連続MVPだった丸佳浩を失った広島ファンが沸いたが、その期待に見合う結果は残せなかった。

 巨人時代からスロースターターの傾向はあったが、新天地でもオープン戦から数字を残せず、競争主義を掲げながら3連覇メンバーを重用する緒方孝市監督の信頼を勝ち取ることができなかった。

 左投手相手のスタメンか代打と出場機会が限定され、調子が上がらないまま、7月には1年目以来となる再調整による二軍落ちも経験。シーズン終盤に一軍復帰して9月は月間打率3割を記録したが、最終的に72試合出場で45安打に終わり、プロ入り9年目で初めて100安打に到達しなかった。

 シーズン後は保有しているFA権での移籍も噂されたが、行使せず残留を表明。今季2億2000万円だった推定年俸はダウンが予想されるが、監督が替わった来季は復活にかける。

■2位:ガルシア(阪神)

 オリックスからFA移籍した西勇輝とともに左右の両輪として期待されたが、西が10勝をマークしたのに対して、ガルシアは6勝どまりと振るわなかった。

 来日1年目の18年に中日で13勝を挙げてチームの勝ち頭となり、防御率も2.99と安定感も抜群だった左腕だが、年俸交渉の決裂により阪神に移籍。推定年俸5000万円から1億7000万円への大幅アップも決して高くないと言われたが、開幕からいずれも5回もたずに3戦勝ち星なしで二軍降格となった。

 交流戦前に復帰していきなり完封勝利を挙げるなど2連勝したが、その後は12戦勝ち星なしの自身6連敗で、8月下旬に再び登録抹消となった。シーズン終盤に復帰して4戦4勝となんとか帳尻を合わせたが、最後の3試合はリリーフ登板での勝ち星と、当初の期待とは相反するものだった。

 中南米系の選手は、年俸の大幅アップや複数年契約で成績を落とすケースが多いが、ガルシアはその典型と言えそうだ。

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