フォーブスによれば、2018年度(2019年5月が年度末)の「ジョーダン・ブランド」全体の売上は約31億4,000万ドル(約3,414億円)でジョーダン氏はその内、約1億3千万ドル(約141.4億円)を手にするとのこと。2003年のウィザーズでのプレーを最後に現役引退したが、それから16年の月日が流れても、どの現役プレーヤーよりも破格の収入を得ていることになる。

 ジョーダン氏のようなケースは例外中の例外だろうが、これまでもビッグスターのシグネチャーシューズは多数発売されてきた。記憶に残るところでは、コービー・ブライアント氏、シャキール・オニール氏、スコッティ・ピッペン氏、ケビン・ガーネット氏、ドウェイン・ウェイド氏などなど。いずれも歴史に残るレジェンドばかりで、シグネチャーシューズを持てるということは大スターの証となっているのだ。

 現役選手でシグネチャーモデルを持つ選手としてすぐに名前が挙がるのは、レブロン・ジェイムズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)、ラッセル・ウェストブルック(ヒューストン・ロケッツ)、ジェームス・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)、クレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)ら。ジョーダン氏には遠く及ばないものの、ジェームズとナイキの約3,200万ドル(約34億7,800万円)など、こうしたプレーヤーは契約金では軒並み日本円で10億を越えている。

 こうした選手に肩を並べるためには、一試合一試合で結果を出すしかない。八村はシーズン20試合目となった同6日のフィラデルフィア・76ers戦で、18本中11本のシュートを決め27得点、7リバウンドをマーク。強豪相手に119対113で勝利し連敗を3で止めたチームに貢献した。この日のような数字をデイリーで残すことができれば、「ジョーダン・ブランド」から八村モデルが誕生するのは夢ではないだろう。

 八村のキャリアは始まったばかりで気が早すぎる話かもしれないが、彼のシグニチャーモデルが生まれ、トップ中のトップになることを期待せずにはいられない。(文・田村一人)