日本では入園や入学に際してそのような条件はないことが多いですが、ワクチンをまだ打てない赤ちゃんや病気等でワクチンを打てない人たちを守るためには、ご家族や、周りにいるできるだけ多くの人がワクチンを接種することが大切です。

 麻疹の十分な免疫をつけるには、2回のワクチン接種が必要です。2000年度生まれの人からは2度の定期接種になっていますが、それ以上の年齢の方で自然感染をしておらず、これまで2回の接種を受けていない方は、ワクチン接種を検討していただきたいと思います。

 現在40~47歳の男性については、本年度は風しんの対策で無料クーポンが届いていると思います。風しんの抗体検査で抗体価が低ければ、無料で麻疹対策にもなる麻しん風しん混合ワクチンを接種することができます。無料クーポンの利用率は10月時点で15%前後にとどまっていますが、ぜひこの機会を利用してご自身や周りの方々を守っていただきたいと思います。

(※1)Science M, Savage R, Severini A, McLachlan E, Hughes SL, Arnold C, et al. Measles Antibody Levels in Young Infants. Pediatrics. 2019.

(※2)Mina MJ, Kula T, Leng Y, Li M, de Vries RD, Knip M, et al. Measles virus infection diminishes preexisting antibodies that offer protection from other pathogens. Science. 2019;366(6465):599-606.

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森田麻里子

森田麻里子

森田麻里子(もりた・まりこ)/1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産し、19年9月より昭和大学病院附属東病院睡眠医療センターにて非常勤勤務。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表

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