※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 2019年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で読まれた記事ベスト20を振り返り、再掲する。

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 16位は10月の記事「中2からパパ活で200人と会った25歳OL『まともな恋愛できない』 就職してもやめられない深刻な理由」だった。

 清潔感のあるシャツにパンツスタイル、肩まで伸びた茶色の髪。明るく好感が持てる雰囲気の営業女子(25)は、聞けば11年前から200人以上の男性にお小遣いをもらってきたパパ活女子だった。

 女子中高生がSNSなどで知り合った大人とデートをして金銭を受け取るパパ活は、児童買春や詐欺、そのほかの犯罪に巻き込まれるケースが相次ぎ、警察や市民グループなどがツイッターをパトロールするなど、犯罪を防ぐための取り組みが始まっている。

 身の危険があるパパ活に、彼女はどうして手を出したのか。普通の会社員として働き始めた現在も、なぜパパ活をやめないのか。語られたのは、深刻な家庭の事情と意外と知られていないパパ活後のリスクだった。

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「当時の記憶があまりないんですよね……。家がごちゃごちゃで、辛すぎて」

 都内に住む会社員のサキさん(仮名、25歳)は、パパ活を始めた中学2年生のころのことを聞くと、軽い口調でそう話し始めた。仕事が続かない父と、アルコール依存症の母。両親の激しい言い争いは離婚後も電話ごしに続き、母の怒りはサキさんにも向けられた。酒を飲んでは暴言を吐く母とこれ以上一緒にいたら頭がおかしくなると思い、家を出た。

 所持金2万円。バイトができる年齢でもない。友だちの家に泊まらせてもらうのも限界があり、野宿は嫌だ。追い詰められて手を出したのが、当時から社会問題となり、ニュースでも度々報じられていたパパ活だった。行政や市民団体から支援を受けるほうが、ハードルが高いと感じていたという。

 ネット上の掲示板で出会った40代半ばぐらいの小柄な男性と、昼間のカフェでパスタを食べ、2万円を受け取った。それからはいくつかの出会い系サイトに登録し、3日に1回ほど1人の男性と会って1~2万円の「お手当」をもらい、月10万円程度を手にした。カラオケや漫画喫茶で寝泊まりしながら、母がいない時間にたびたび自宅に戻り、着替え数着をかばんに押し込んで家を出る日が1年ほど続いた。下着を使い捨てにしてしまうのは、当時からの癖だ。

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「女の子は選ばれる側」高級レストランや会員制の料亭へ