フジはぜひ、小暮巡査部長でスピンアウトを作るべきだと思う。ちなみに六角さん演じる米沢はシーズン14(2015年)を最後に消えてしまい、とても寂しい。そのせいで最近「相棒」から足が遠のきがちだと、この場を借りてテレ朝にアピールしておこう。

■「バディもの」という分野
 
「シャーロック」はたぶん、「相棒」を相当研究していると思う。超長寿にして高視聴率ドラマだから当たり前だが、もっと言うなら「シャーロック・ホームズ」なら「相棒」が作れると思ったのではないだろうか。

「相棒」は「バディもの」という分野に「非アクション」の新風を吹き込み大ヒットさせたのだが、どこも「相棒」と同じことはやりにくいのだろう。数多い刑事ドラマの中に案外「男性2人」のものはない。だが、ホームズとワトソンだったらぶっ飛んだところでありかも。そう思って始めたのではと、勝手に推測している。

 ところで小暮巡査部長を見ながら、「この人、知ってる」とずっと思っていた。が、どこで知ったのか、思い出せなかった。だが、別のドラマを見て思い出した。「朝ドラで知ってたんだ」と。

 順番に説明するなら、この秋は「少年寅次郎」(NHK)も見ていた。渥美清さんにそっくりな子役が話題になったが、すごく切ないドラマだった。だって寅次郎は「フーテンの寅」になるのだ。別れが待っているとわかっている。そして切なさマックスの最終回、山田さんを発見した。

 寅次郎の産みの親・お菊だった。映画「男はつらいよ」ではミヤコ蝶々が演じた役。初回にも登場し、とらやの前に生まれたての赤ん坊を置いていったのだが、その時は気づかなかった。最終回は中学生になった寅次郎に会いたくて、学校まで訪ねてきたという設定だったから台詞も多く、声で「小暮巡査部長だ」とわかった。

 お菊は着物姿だった。それで山田さんが「流行作家の宇田川満代先生」だったと思い出した。NHKの朝ドラ「花子とアン」に、華やかな大正っぽい着物で出ていた。2014年の作品だから5年前から知っていたわけで、ちょっと感激。

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圧巻の若村麻由美