栃木県、そして宇都宮は知る人ぞ知るスポーツどころだ。

 バスケットのブレックス、サッカーの栃木SC、自転車の宇都宮ブリッツェン。少し足を伸ばせば、世界遺産で有名な日光市にアイスホッケーのH.C.栃木日光アイスバックスがある。毎年のように宇都宮清原球場ではプロ野球公式戦が開催される。新幹線を使えば、東京から約50分という身近な場所で、これだけのプロスポーツを堪能できる。

 この渦の中心にいるのがブレックスだ。2度目のタイトル奪取、そしてさらなるビッグクラブへの進化を模索している。その先には当然、新アリーナ構想も出てくるだろう。地元ファン中心で席が埋まりつつも、東京などからの『にわかファン』も足を運びやすいアリーナが宇都宮にできればこれ以上のことはない。

 チーム力。熱いファン。箱=アリーナ(スタジアム)。

 3つのバランスがうまく取れていることは、プロスポーツクラブ成功条件の1つである。ブレックスはここまで順調な歩みを進めている。宇都宮が日本を代表するスポーツタウンになる日は近いのでは、と感じさせてくれる。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍やホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を不定期に更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。