●最多完封(勝利) 今永昇太(DeNA)3試合


 主要タイトルこそ逃したものの、勝利数(13勝、リーグ2位)・防御率(2.91、同3位タイ)・奪三振数(186個、同2位)はいずれもキャリアハイ。山崎・浜口遥大・東克樹・上茶谷大河らドラフト1位の若手とともに、来シーズンもチームを引っ張る。

■苦戦が数字にも 小川がワースト部門を独占

【ワースト記録】
●防御率 小川泰弘(東京ヤクルトスワローズ)4.57
●敗戦 小川泰弘(ヤクルト)12敗
●被本塁打 小川泰弘(ヤクルト)26本
●失点 小川泰弘(ヤクルト)91失点
かつての最多勝投手にとって苦難のシーズンになった。先発ローテーションを守り、3年ぶりに規定投球回をクリアしたが、シーズン5勝と12敗はいずれもプロ7年間でワースト。5、6月のヤクルトの16連敗では小川が3敗を喫し、チームの流れを変えられなかった。

●被安打 大瀬良大地(広島)176
 8月29日の巨人戦では、2回3分の1を10失点でKOされるなど、打ち込まれることもあった。エースの役割が期待されるだけに、調子の悪いときにいかに試合を作れるかが課題だ。

●死球 高橋光成(西武)14死球
 西武は18年84死球、19年93死球と2年連続で両リーグ断トツの死球数を記録した。8月13日のオリックス戦では、森脇亮介がチーム三つ目の死球を出した直後に乱闘が勃発、オリックスの佐竹学コーチは暴力行為で退場処分を受ける騒ぎに。死球の多さはインコース攻めも要因のひとつだろうが、西武のチーム防御率はリーグ最下位の4.35だけに、制球力に課題が残るシーズンとなった。

 今年は最も優れた先発完投型の投手に贈られる沢村賞が19年ぶりに“該当者なし”となった。各タイトルの表彰とMVP・新人王の発表は11月26日だ。MVPは、セ・リーグでは巨人・坂本勇人が、パ・リーグでは西武の森友哉・秋山翔吾・山川穂高・中村剛也らタイトルホルダーの4人が有力とされ、いずれも野手が占めている。果たして、投手からMVPは選出されるのか。(AERA dot.編集部/井上啓太)