それが面白いし、怖いところでもある。

 演劇の街下北沢で、再びこんな風に芝居に浸かっている。

 ちびを授かる前には、ほんとに朝から晩まで芝居のことを考えていたものだった。その頃の感覚が懐かしく甦っている。

 あのままずっと芝居に浸かっていたら、今頃どんな芝居を作っていただろうか。

 ちびに「母」という役割を与えてもらって、一旦、自分の人生を見つめ直した今の私から出てくるものは、お客さんにどんな風に響くだろうか。

 今、新たな欲求も湧いている。

 劇場でもっと、子供と一緒に楽しめる作品を作れないだろうか。

 音楽や照明を駆使した、絵本の読み聞かせイベントなんて、どうだろう。

 小さな子供たちにも、劇場を身近な存在にできないものか。

 何より自分が、ちびと一緒に楽しみたい。

 劇場から発信するもので、たくさんの人と繋がりたい。

 とにかく手探りでやってみるか。

 そんなことを考えている。

 実現できたらいいな。

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水野美紀

水野美紀

水野美紀(みずの・みき)1974年、三重県出身。女優。1987年にデビュー。以後、フジテレビ系ドラマ・映画『踊る大捜査線』シリーズをはじめ、映画、テレビドラマ、CMなど、数多くの作品に出演。最近では、舞台やエッセイの執筆を手掛けるなど、活動の幅を広げている。2016年に結婚、2017年に第一子の出産を発表した

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