YouTubeもそれと同じです。息子の場合、商品レビューはグダグダで、開封は雑だし説明書なんて読めない。アイスを食べたら落とすし、かき氷にシロップかけたらこぼすし、寸劇のセリフは忘れるし、そもそもカメラを見ていない……不出来な例をあげだすとキリがありません。

 でもYouTubeでは、それが個性となり得るのです。よく泣く子、内気な子、おしゃべりな子、おませな子、怒りっぽい子……色んな子どもはいますが、YouTubeでは個性としてポジティブな要素になるのです。こうした感覚を得られたことが、子育てをする上で、かなりプラスになったと感じています。

 また、子どもにいろいろな体験をさせられることもよかったことのひとつです。

 例えば、ウルトラマンをホテルの部屋に呼んだり、昆虫や恐竜のイベントのために全国各地を訪れたり、船をチャーターしてサメを釣りに行ったり、好きなゲームのキャラクターになりきってごっこ遊びしたり、親子で泥だらけになって田んぼ遊びしたり虫取りしたり。Youtuberでなければ絶対にやっていません(笑)。そのほかにも珍体験が満載です。秋田でなまはげに怒られたり、タイでトラに触ったりゾウのお世話をしたり、沖縄のマングローブ林を探検して巨大ガニを探したり、ハブの毒を採取したり、福井で化石を発掘したり、鹿児島でイルカに乗ったり。我が子ながら羨ましいくらいに色んなことを経験しています。

 子どものころに親と出かけたり遊んだりする経験は、多ければ多いほど人生が豊かになるといわれています。そういう意味で、YouTuberとしての経験は、子どもの人生にプラスの影響をもたらしていると思います。

 さて、次は悪かった点です。

 みなさんのご想像どおり、子どもは簡単に調子に乗ってしまう生き物です。息子はYouTubeに出ていることが自慢のようで、友達に「すごい」と思われるのが嬉しいようです。実際は偉くもすごくもないので、「自慢にならないよ」と言い聞かせてます。その点をよく言い聞かせ続けなければ、有名なだけで中身のない人間になってしまいます。

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