巨人などでプレーしたシコースキー (c)朝日新聞社
巨人などでプレーしたシコースキー (c)朝日新聞社

 活躍次第でチームの浮き沈みに大きく影響するプロ野球の助っ人。毎年、贔屓の球団に新外国人選手の入団が発表される度に、未知の期待感から胸を躍らせるファンも多いのではないか。

 しかし、近年では補強失敗によるリスクを避けるため、すでに日本のプロ野球を経験している“出戻り助っ人”を獲得する球団も増えてきた印象だ。そこで今回は日本のプロ野球を経験し、一度日本を離れたものの、再来日して光を放った助っ人選手を紹介したいと思う。

 最初に“出戻り助っ人”として頭に浮かぶのは、なんといってもプロ野球ではロッテ巨人ヤクルト西武の4球団で活躍したシコースキーだろう。

 2001年シーズンの途中にロッテに移籍したシコースキーは、来日初年度こそ12試合の登板で、防御率6.43と振るわなかったが、翌年以降は成績が徐々に向上。ロッテ3年目には47試合(先発5試合)の登板で防御率3.16をマークすると、2004年に名門・巨人入り。移籍1年目には62試合の登板で防御率2.67の安定した投球を見せるなど、巨人に在籍した2年間はフル回転した。

 その後はアメリカに戻りパドレス、インディアンスでメジャーのマウンドに上がるも成績はパッとせず。2007年シーズン途中にヤクルトと契約を結び、日本球界へ出戻った。その後は古巣ロッテの在籍を経て西武へ移籍。2010年には33セーブをマークし、セーブ王にも輝いた。2度目の来日では5シーズンで200試合に登板して防御率2.38と、最初の日本球界でのプレーよりも安定したピッチングを披露した。成績もさることながら、登板前の投球練習で腕をグルグル回す様子や、マウンドまで全力疾走する気合の入った姿はファンの心も掴んだ。

 他に投手では、ソフトバンク阪神、ロッテに在籍したスタンリッジも出戻って活躍した選手の一人。2007年シーズン途中にソフトバンクに加入し、2009年までプレーしたのちに、MLBマーリンズ傘下の3Aなどに所属。その後、2010年に阪神に加入し、4年間で35勝をマークした。2014年からは2度目となるソフトバンクでのプレーで2年連続の2ケタ勝利を挙げ、2度の日本一に貢献。最初のソフトバンク在籍時には7勝しか挙げられなかったが、出戻った後に68勝と再来日で真価を見せた投手だった。

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打者で活躍の“出戻り助っ人”は?