スター選手の不在は国内女子ゴルフの空洞化を招く恐れもあるが、KLPGAは有力選手のアメリカ進出に概ね肯定的だ。

 以前に話を聞いたKLPGAの現場トップであるカン・チュンジャ副会長も、「彼女たちがアメリカや日本で活躍することで韓国ゴルフの存在を世界にアピールできるし、彼女らの活躍によって国内でもゴルフ熱が盛り上がる。彼女たちをきっかけにゴルフを始める子供たちも増えるんですよ」と話していた。

 実際、韓国では1990年代後半に活躍した朴セリに影響されてゴルフを始めた者も多い。チェ・ナヨン、申ジエ、パク・インビ、キム・ハヌル、イ・ボミら、“朴セリ・キッズ”がそれで、最近は“朴セリ・キッズ”の活躍を小学生時代に見たという10代の選手が頭角を現している。今季KLPAツアーで4勝のチェ・ヘジン(99年生まれ)やルーキーイヤーに優勝したチョ・アヨン、イ・スンヨン、イム・フィジンだ。ルーキー3人はいずれも2000年生まれということから、韓国では“女子ゴルフ・ミレニアム世代”と言われている。韓国では日本の“黄金世代”よりもさらに若い世代が台頭しているのだ。

 世界を席巻し、国内でも新たな注目株たちが次々と飛び出す韓国女子ゴルフ。女子ゴルフ界におけるコリアン・パワーの猛威は、もうしばらく続きそうだ。(文・慎武宏)