圧巻の強さを見せた韓国のコ・ジンヨン(Getty Images)
圧巻の強さを見せた韓国のコ・ジンヨン(Getty Images)

 渋野日向子を筆頭とする“黄金世代”で盛り上がる日本女子プロゴルフだが、世界に目を転じてみれば、今年も“韓国勢”の強さが目立ったシーズンだった。

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 その象徴と言えるのがコ・ジンヨンだ。アメリカ本格参戦2年目で今季、コ・ジンヨンはメジャー2勝(ANAインスピレーション、エビアン選手権)を含めて4勝を飾り、賞金女王の座もほぼ手中に収めた。世界ランキングでも7月の20日間を除けば、ほぼ1位の座を守り続けた。過去には申ジエ、パク・インビらも世界ランク1位になっているが、コ・ジンヨンはまさに現在の世界最強女子プロと言っても過言ではない。

 このコ・ジンヨンのほかにもパク・ソンヒョン(2勝)、キム・セヨン(2勝)、ハー・ミジョン(2勝) 、チ・ウンヒ(1勝)、エイミー・ヤン(1勝)、ジャン・ハナ(1勝)、イ・ジョンウン6(1勝)などの韓国勢が優勝。アメリカ女子ツアー33試合中14勝が韓国人選手だった。新人王にもイ・ジョンウン6が輝いたことで、アメリカ女子ツアー新人王のタイトルも5年連続で韓国人選手のものとなった(2015年にはキム・セヨン、16年にはチョン・インジ、17年にはパク・ソンヒョン、18年にはコ・ジンヨンが選ばれている)。

 なぜ、こうも次々と韓国から有力選手が出てくるのか。韓国女子ゴルフの強さの秘密をざっくり言うと、完全実力主義の国家代表選抜システム、その国家代表を目指してジュニア時代からある熾烈な選手間競争、さらには“ゴルフ・ダディ”と呼ばれる保護者の熱烈支援や、ゴルフの基礎とメカニズムを重視する指導者たちなどが挙げられる。ただ、それだけではないだろう。

 というのも、前出した選手たちはハー・ミジョンを除くと、ほとんどが韓国ツアーで大活躍してトップスターに躍り出ると、すぐにアメリカに渡っている。チョン・インジは15年、パク・ソンヒョンは16年、イ・ジョンウン6は17年と18年のKLPGA賞金女王だった。コ・ジンヨンも16年にはKLPGA年間MVPに輝いている。韓国での成功に安住することなく、選手として上昇気流に乗った状態で果敢に海を渡っているのだ。

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協会もアメリカ挑戦に肯定的