全線を走破するだけでおよそ6時間の長丁場となるが、刻々と変化してゆく車窓を眺めているだけで時間が短く感じられるかもしれない。

 紅葉も楽しめる途中下車ポイントとしては、先の「秘境駅」のほか湯谷温泉駅や天竜峡駅など。湯谷温泉では立ち寄り湯も楽しめる。また、駒ケ根のソースかつ丼や伊那市のローメンなどのご当地グルメを試してみてはいかがだろうか。

 このほか、水郡線(水戸~郡山間)は「奥久慈清流ライン」の愛称を持つ風光明美(めいび)な渓谷路線で、車窓からの紅葉風景への期待も大。

 また、米沢と坂町とを結ぶ米坂線は、小国付近で展開する赤芝峡をはじめ荒川沿いの紅葉美に定評がある。巡り合わせ次第では、雪をいだく飯豊(いいで)連峰と麓の紅葉との競演に出会えるかもしれない。

※水郡線は台風の影響で、西金~常陸大子駅間の上下線で当面の間運転を見合わせています。

◯植村 誠(うえむら・まこと)/国内外を問わず、鉄道をはじめのりものを楽しむ旅をテーマに取材・執筆中。近年は東南アジアを重点的に散策している。主な著書に『ワンテーマ指さし会話 韓国×鉄道』(情報センター出版局)、『ボートで東京湾を遊びつくす!』(情報センター出版局・共著)、『絶対この季節に乗りたい鉄道の旅』(東京書籍・共著)など。