巨人・亀井善行 (C)朝日新聞社
巨人・亀井善行 (C)朝日新聞社

 プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS」が11月26日に開催される。だが、そこで表彰される選手たちだけでなく、各球団には縁の下の力持ちとしてチームを支えた男たちもいる。そこでセ・リーグ6球団において渋い活躍をした「影のMVP」を選出したい。

 まずは、復帰した原辰徳監督の下で5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。山口俊、坂本勇人が投打のMVPだろうが、「影」としては亀井善行だ。生え抜きのプロ15年目。当初は代打要員との構想だったが、負傷者が出た中で開幕直後に5番打者、さらに5月末からは1番打者として打線を引っ張り、終わってみれば131試合に出場して打率.284、13本塁打、55打点をマーク。その数字以上に「困った時の亀さん」として、チームが苦しい時に力を発揮。ファン、チームメイト、そして監督にとって非常に頼れる存在だった。

 2位に入ったDeNAでは、エスコバーの奮闘を推したい。昨季53試合に登板した左のリリーバーは今季、チームの全試合の半分以上となる74試合に登板。チーム全体として中継ぎが不安定だった中、防御率2.51の安定感で33ホールドをマークし、セットアッパーとして見事な働きを披露した。今季で契約が切れるが、間違いなくチームに残しておかなくてはいけない戦力だ。

 3位に滑り込んだ阪神では、正捕手としてチームを支えた梅野隆太郎を讃えたい。プロ6年目の今季は、129試合に出場して自己最高の打率.266&14盗塁に加えて、9本塁打59打点マーク。さらに自慢の強肩でプロ野球新記録となる123補殺を記録した。実際にゴールデングラブ賞も受賞して「影の」という訳ではないが、縁の下の力持ちとして“梅ちゃん”の働きを再評価したい。

 リーグ4連覇を逃した広島も、扇の要である會澤翼の活躍が光った。昨季から打率こそ.305から.277と下げたが、12本塁打は昨季の13本塁打と同等で、打点は42から63と大きくアップ。得点圏打率.351は規定打席到達者の中でリーグトップの数字だった。表向きのMVPは鈴木誠也で間違いないが、會澤の働きも十分に讃えられるべきだ。

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