■日本ハム:武田久

 15年間で534試合に登板し、その全てがリリーフ登板だった武田久。身長170センチとプロの投手としては小柄だが、最多セーブ3回、最優秀中継ぎ1回の実績は、平成の守護神と呼ぶにふさわしい。

 リリーバーとして覚醒したのがプロ4年目の06年。68年に森安敏明がマークした球団記録のシーズン67試合を更新する75試合に登板し、リーグ新記録の45ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。チームは81年以来のリーグ優勝を果たし、44年ぶり二度目となる日本一にも輝いた。

 09年からは前年まで守護神だったマイケル中村が退団してクローザーを任され、抜群の安定感で3勝0敗34セーブ、防御率1.20で最多セーブのタイトルを獲得した。11年にはパ・リーグ初となる100ホールド&100セーブを記録。シーズン37セーブで二度目の最多セーブに輝き、12年もリーグ記録となる月間11セーブを記録するなど、32セーブで2年連続のタイトル獲得となった。

 低身長の低い重心から多彩な変化球を投げ込むスタイルは、剛腕投手のイメージが強いクローザーで異色の存在と言える。

■オリックス:平野佳寿

 高卒2年目で42セーブポイントの平井正史や、日本シリーズでオマリーと名勝負を演じた小林宏など、瞬間的な活躍をした守護神が多いイメージのチームで、通算156セーブを記録したのが平野佳寿だ。

 入団から4年目までは先発中心の起用で、右ひじ手術で登板ゼロに終わった08年を除く3年間でいずれも二桁黒星を記録した。希望枠入団のエース候補が、リリーフ転向で覚醒したのがプロ5年目の10年。中継ぎとして63試合に登板して防御率1.67、39ホールドポイントの好成績を残した。11年にはリーグ最多の72試合登板で49ホールドポイントをマークして最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。

 岸田護とともに勝ちゲームを締めくくる役割を担い、本格的にクローザーとなった13年にはリーグ2位の31セーブ、14年には当時のパ・リーグ新記録となる40セーブで初の最多セーブに輝いた。リリーフ転向から5年連続で60試合以上に登板し、全ての年で投球回数を上回る奪三振数と、高い奪三振率を誇る。

 18年にMLB移籍を果たすと1年目から75試合に登板し、今季も62試合登板とタフネスぶりは健在だ。