■楽天:松井裕樹

 平成16年に球団創設と歴史の浅い楽天では、現役クローザーの松井裕樹が歴代16位タイとなる139セーブをマークしている。ちなみに楽天誕生に関連ある近鉄では、平成元年から16年まで現役生活を送った赤堀元之が、松井と同数の139セーブを記録しているのは興味深い。

 松井は桐光学園高校時代に夏の甲子園で大会記録となる10者連続奪三振と1試合22奪三振をマークし、1大会の記録でも68奪三振と左腕の歴代最高を更新した。楽天では前年にMLB移籍した田中将大の後を継ぐ左腕エースとして開幕から先発ローテ入りを果たした。しかし、2年目の15年に当時の大久保博元監督が奪三振率の高さからリリーフ転向を決意し、クローザー候補だったキャム・ミコライオの故障離脱もあり、若き守護神が誕生した。

 転向1年目から33セーブ、防御率0.87を記録すると、以降は3年連続で30セーブ以上をマーク。史上最年少で通算100セーブを達成した18年は不振で5セーブと低迷したが、今季は自己最多の68試合登板と復活し、38セーブで初めて最多セーブのタイトルを手中に収めた。

■ロッテ:小林雅英

 平成の初期は河本育之、近年も西野勇士など、名クローザーを多く輩出しているチームだが、平成を代表する守護神と言えば、NPB歴代6位の228セーブを記録した小林雅英しかいない。

 プロ1年目は10試合先発で起用されて3完投を記録しているが、リリーフ兼任で46試合に登板したルーキーイヤーから、MLB移籍前の日本での9年間で、毎年40試合以上に登板した。2年目の00年にはキャリア最多の65試合に登板し、中継ぎから不振のブライアン・ウォーレンに代わるクローザーとなり、11勝6敗14セーブと二桁勝利を記録した。

 01年に6日間連続セーブ、02年には33試合連続セーブポイントと、次々にNPB新記録を達成した小林は「幕張の防波堤」と呼ばれた。05年には薮田安彦、藤田宗一と「YFK」と称された勝利の方程式でチーム31年ぶりとなる日本一に貢献。「コバマサ」の愛称でNPB記録となる7年連続20セーブ以上を記録した右腕は、走者を許すケースが多く「劇場型」とも呼ばれた。08年に移籍したMLBでも2年間で67試合に登板して6セーブをマークしている。

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日ハムは小さな体で奮闘