【日本ハム】
2019年外国人選手活躍度:C
来季の外国人選手展望:C

・外国人投手合計成績
57試合8勝10敗3セーブ11ホールド

・外国人野手合計成績
88試合78安打3本塁打35打点1盗塁

・外国人選手MVP:ロドリゲス
34試合6勝7敗1セーブ8ホールド 防御率3.25

 投手陣は昨年二桁勝利をマークしたマルティネスが故障で一軍登板0に終わり、新外国人のハンコック、バーベイトもほとんど戦力にならなかった。唯一ロドリゲスが先発、リリーフに奮闘したが、MVPに選ぶにしては寂しい成績と言わざるを得ない。そして台湾球界で二度の打率4割を記録し、大きな期待を受けて入団した王柏融も故障と厳しいマークに苦しみ、不本意な成績に終わった。投手、野手トータルでの活躍度という意味では、12球団でも最低だったと言えるだろう。

 投手はロドリゲスと故障からの復帰が待たれるマルティネス、野手も3年契約を結んでいる王の残留が決まっている。中でもカギになるのは王だが、今年のような状態が続くようであれば、途中での契約破棄も当然検討する必要はあるだろう。マルティネスが故障明けということを考えても、新外国人の獲得は必要不可欠となる。以前は外国人の発掘が上手い球団というイメージが強かったが、ここ数年は大きなヒットとなる選手が出ていないのが気がかりだ。投手、野手ともある程度のコストはかけても、中心としての活躍が期待できる選手を積極的に狙ってもらいたい。

【オリックス】
2019年外国人選手活躍度:B
来季の外国人選手展望:B

・外国人投手合計成績
74試合8勝11敗18セーブ8ホールド

・外国人野手合計成績
188試合175安打30本塁打112打点3盗塁

・外国人選手MVP:ロメロ
81試合90安打18本塁打63打点3盗塁 打率.305

 大当たりと言える選手はいなかったものの、来日7年目となるディクソンがリリーフに転向して18セーブをマークし、野手もロメロが18本塁打、途中加入のモヤが10本塁打とそれなりの結果を残した。昨年9勝をマークしたアルバースが大きく成績を落としたのは痛かったが、トータルで見ればまずまずといったところだろう。特にロメロは故障の影響もあって来日3年目で最低の試合出場数に終わったものの、規定打席不足ながら打率3割もクリアし、得点力不足に悩むチームにとって非常に大きな存在だった。

 来季はディクソン、アルバース、ロメロ、モヤ、と実績のある4人が残留することが大きい。ロメロとモヤの二人が1年を通じて機能すれば、チームの長打力をかなりアップするだろう。ディクソンが来年で36歳と完全にベテランの域に入っているだけに、投手陣の補強は必要になるが、例年よりも安心してスタートできる布陣となりそうだ。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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