各社の好きな芸人ランキングで、ここ数年、トップに急浮上したサンドウィッチマン。明石家さんまやダウンタウンなど大物を抑えての快挙だ。同じくお笑い芸人のカンニング竹山さんは博多華丸・大吉の人気にも共通する「時代の需要」があると指摘する。
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サンドウィッチマンって面白いなと思うのは、見た目はいかついのに、2人とも人間が良いし、優しくて人のことをすごく考えているから。勝手なイメージだけど2人とも「東北のいい男」ですよね。僕が福島に旅行したり、ツイッターで情報をアップしたりしているのを見てくれて「竹山さん、いつも福島のことをありがとうございます」とお礼を言われたこともあります。
決してみんなの共感を集めるような外見じゃないのに(笑)、「好きな芸人のランキング」のトップ常連というのは、やっぱりすごいことだと思います。
M-1グランプリで日本一になって、タレントとしても忙しいと思うんだけど、いまでもちゃんとネタを作って単独ツアーをやり続けて、週末の営業なんかも行っているし、本当に偉いと思う。所属事務所では後輩たちの面倒をみて、必要なことはちゃんと注意してかわいがっていますよ。おごり高ぶるようなところは見たことがないですよね。
それに、サンドウィッチマンの番組に行くとやっぱり面白いんですよ。ということは、ゲストに楽しい気持ちで帰ってもらう、その人に得してもらうという基本的な理念が徹底されているということ。そこが人気なのかなと思う。
一方で、視聴者の「好きなお笑い芸人」というのは時代の波があるなとも感じます。その昔、僕らが子どものころは萩本欽一さんやザ・ドリフターズが一世を風靡しました。子どもからお年寄りまでみんなが安心して見られるテレビ番組が人気になって、しばらくすると視聴者の中には物足りなさを感じる人が出てくるわけです。
そこを切り開いたのがビートたけしさんでした。たけしさんは、萩本さんと同じ東京出身なんだけど、真逆の毒舌で「ばかやろう」って本当のことを言うようなタイプ。ツービートが出てきたときの衝撃は僕も忘れられないし、若者はそっちにガッと動くわけですよね。みんなの好きなことがオセロみたいにひっくり返っていく。