現時点で活動自粛となっているが、既に修正申告などやるべきことは全てやっている。となると、あと復帰に向けての要素としては“世の中の風を見る”ということになる。

 ただ、ここが実は一番難しく、何をもって、もう復帰しても大丈夫ということになるのか。その線引き、そして、世の中の風当たりがマイルドになるということがあるのか。あるにしても、それがいつになるのか。先は見えない。

 その流れを誰よりもダイレクトに受けるのは、相方の福田充徳。福田と筆者は数年前から関西で定期的にトークイベントをしていて、イベント内はもちろんのこと、イベント後の打ち上げでも、あらゆる裏話もてんこ盛りで話してきた。

 その時の時事ネタや楽屋話が酒の肴になるが、打ち上げで酒が進むと、結局、福田の話はいつも同じところに向かう。

「幼稚園から一緒やけど、ホンマに徳井はエエ奴なんです」

 コンビ仲が良いとは言われるが、僕の知る限り「チュートリアル」は全ての芸人の中でもトップクラスに信頼関係の深いコンビであることは間違いない。

 こんな形でコンビ仲が注目されることは二人にとって当然歓迎すべきことではないだろうが、否応なしに、そこに視線が集まることに今後はなっていくだろう。

 コンビは一蓮托生。良いことも悪いことも、二人で味わう。こちらが言うまでもなく痛感しているだろうが、自身のだらしさが福田の人生にも大きな危機をもたらしている。

 猛省し、再び笑いを商売にできるところまで信頼の積み重ねをする。極めて難しい作業となるだろうが、今一度、徳井が光を浴びようとするならば、それしか道はない。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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