菊池の最大の武器は華麗な守備だが、メジャーの二塁手は守備だけでレギュラーが張れるほど甘くはない。今季のメジャーで主に二塁手としてプレーして規定打席に達した選手は17人。そのうち16人が2ケタ本塁打を放っている。8割を越えればトップクラスとされるOPS(出塁率プラス長打力)も6人が8割をクリアし、16人が7割以上だった。

 菊池は日本での通算8年間でOPSは7割6厘。本塁打は6シーズンで2ケタに乗せているがキャリアハイは14本と、打撃でのアピールは難しい。得意とする犠打を披露する機会もメジャーではあまりなさそうで、ポスティングを申請しても入札なし、あるいは2011年に西武からポスティング申請してヤンキースが交渉権を得たものの、最終的に契約に至らなかった中島裕之のような展開もあるかもしれない。

 もちろんこうした予想など軽く覆し、筒香や秋山、菊池が来季のメジャーリーグでセンセーショナルな活躍を見せてくれるかもしれない。何事も挑戦せずして成功なし。まずはストーブリーグの顛末を見守ってみよう。(文・杉山貴宏)