日本ハム・杉谷拳士 (c)朝日新聞社
日本ハム・杉谷拳士 (c)朝日新聞社

 日本シリーズではソフトバンク巨人をスイープし、2019年シーズンもついに閉幕。ここからは新シーズンに向けた各チームの動きが注目されるが、その一方で、思わずクスッと笑える楽しいニュースを求める方も少なくない。こうした要望にお応えすべく、「プロ野球B級ニュース事件簿」シリーズ(日刊スポーツ出版)の著者であるライターの久保田龍雄氏に、現在活躍中の人気選手にまつわる“B級ニュース”を振り返ってもらった。今回は日本ハムの……と言うより、今やプロ野球界を代表する“いじられキャラ”として人気を博している「杉谷拳士編その2」だ。

 今やすっかり“お約束”となったビジターの西武戦でのウグイス嬢による“杉谷いじり”が初めて話題になったのは、2015年だった。

 7月26日の試合前(西武プリンスドーム)、杉谷が打撃練習を始めると、「ただ今、この夏のキーマン、杉谷選手が打撃練習を行っております」「打球がまれにスタンドに入ることがあります。気温も大変高くなっておりますので、熱中症と杉谷選手にご注意ください」と“杉谷注意報”が発令された。

 また、8月13日からの3連戦では、「打って走れる期待のスイッチヒッター・杉谷選手、打撃練習あと10分です」「ご案内いたします。先日、今シーズン1号を見せました杉谷選手が打撃練習を行っております。大きな打球がスタンドに入る場合がございます。まれに入らない場合がございますが、皆様、すべての打球にご注意ください」など、3日連続の“口撃”がスポーツ紙で報じられた。

 もちろん、スタンドは大爆笑。杉谷も「1本も(スタンドに)入らなかった。キーマンと言ってもらったのに……」とアナウンスを何よりの励みにしている様子だった。

 とはいえ、本拠地・西武の選手ならともかく、何でまた対戦チームの選手を毎試合のようにいじるのか?

 キーマンならぬ“キーウーマン”として一躍注目を集めた西武広報・鈴木あずささんは、04年からウグイス嬢を務めているが、杉谷いじりが始まったのは、前年9月の最終カードからだという。

著者プロフィールを見る
久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

久保田龍雄の記事一覧はこちら
次のページ
いじられのきっかけは