威圧的な態度が常習化している人は、怒りのポイントを思わぬところに見つけるという。謝罪しても、謝り方や表情にまで文句をつけられ、怒りを余計に沸騰させてしまうというわけだ。車から降りれば暴行される恐れもある。では、いったいどうすればいいのか。

「車のカギを締めて安全な場所で停止し、110番するしかありません。その際、相手とは目を合わせないようにしてください。コミュニケーションを避け、相手に余計な怒りの燃料を与えないように努めてください」

 被害にあってしまったら、自力で解決しようとせず、第三者の力を借りることが大切だ。

■7つの質問であなたの“あおらー度”をチェック

 最後に、藤井准教授にあおり運転をしてしまう危険度(あおらー度)を判定するチェックリストをつくってもらった。以下7つの質問にYesかNOで答えるだけ。あなたの“あおらー度”はどうだろうか。(Yes…1点 NO…0点)

・車の中は自分にとってリラックスできる空間である

・仕事帰りにドカ食いや衝動買いをしてしまいやすい

・自分は渋滞や赤信号にひっかかりやすい

・日頃活字がメインの本をあまり読まない

・移動手段の中で車が一番好きだ

・一つのことに没頭しすぎることがある

ドラマや映画を見てもほとんど泣かない

【判定結果】
7点・・・他人に運転してもらった方がよい可能性がある
5~6点・・・無自覚に「あおり運転」をしている可能性がある
3~4点・・・急いでいたり疲れがたまっているときに「あおり運転」しやすい傾向がある
0~2点・・・「あおり運転」をしている可能性は低い

 いかがだろうか。記者は5点でリスクが高いと判定されてしまった。もちろん、あおり運転をしたことはないが、運転中に他の車にイラっとしてしまうことはある。

「怒りやすいと思う人は、自分の車内が写るドライブレコーダーを付けて、あとで見てみてください。あおりを防ぐには、自分を客観的にみることが重要です。あおり運転をして気が晴れても、その先の結末は悲惨です。その想像力を働かせられるかが鍵です」

 被害者にも加害者にもならないために、運転には周りを気遣う余裕と思いやりを忘れてはならない。(AERA dot.編集部/井上啓太)