「F1メキシコGP」レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーと話すマックス・フェルスタッペン(GettyImages)
「F1メキシコGP」レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーと話すマックス・フェルスタッペン(GettyImages)

 F1アメリカ大陸3連戦の初戦メキシコ・グランプリ(GP)は標高2300m、富士山の五合目に相当するメキシコシティの『エルマノス・ロドリゲス・サーキット』で行われた。高地にあるのため空気が薄く、ダウンフォースが減りPUの性能も低下する、グランプリサーキットの中でもかなり特殊な環境だ。またレーシングポイントのセルジオ・ペレスの母国でもあり、非常に熱狂的なファンが34万人も駆けつけ、まさに「ラテンのノリ」の一大イベントになっている。

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 金曜日は雨の影響でフリー走行1はインターミディエイトのタイヤでの走行が続き、ドライ路面でアタックできたのは残り15分程度。フリー走行2は路面が乾いたものの、翌日も雨が降り、フリー走行3も滑りやすい路面での走行となった。多くのチームがインターミディエイト、ソフト、ミディアムの3種類の走行を続けることとなり、これが決勝に響くことになる。結果論だが、決勝での正解はハードタイヤを使った1ストップ作戦で、2ストップは不正解だったのだ。

 予選は完全にドライの路面。ホンダ勢4台がQ3に進出し、去年のウィナー、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが1分14秒758をマーク。2番手のフェラーリ、シャルル・ルクレールに約0.3秒差をつけてポールポジションを獲得した“はず’だった。

 しかし予選Q3終了間際、最終コーナーでメルセデスのバルテリ・ボッタスがクラッシュ。黄旗が提示されたがフェルスタッペンは十分に減速しなかったため、3グリッド降格のペナルティを受け決勝は4番手からのスタートとなった。これはフェルスタッペンのボーンヘッドと言ってもよいだろう。減速していてもポールボジションは確定したのだから……。

 決勝でもフェルスタッペンはターン2でメルセデスのルイス・ハミルトンと接触し、フロントウイングにダメージを負ってしまう。その影響で8番手まで後退したところでバーチャルセーフティーカー(VSC)が出動された。3周目にVSCが解除され、フェルスタッペンは7番手を走るボッタスをパスするも、フェルスタッペンの右リヤタイヤがボッタスのフロントウイングに接触。スローパンクチャーが始まり、5周目のターン4でタイヤが脱落。そのため3輪での超低速走行でピットまで戻る羽目になり、大きくタイムをロスしてハードタイヤに履き替え、最後尾でコースに復帰した。

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ワールドチャンピオンになれる器はあるのだが…