留学や海外旅行をしなくても、他国の文化や価値観を学べるのが、ホストファミリーになる魅力。「困ったときはサポートする体制を整えているので、日本にもっとホストファミリー文化を広めていきたいです」(森本さん)

 長期受け入れは荷が重いという人は、海外からの旅行者と一緒に食卓を囲む「ホームビジット」という選択肢もある。2~3時間の滞在なので、ホームステイよりも気軽に国際交流できる。2011年にプログラムを始めたNPO 法人「NAGOMIVISIT」代表の楠めぐみさんは、「『同じ釜の飯を食う』ということわざの通り、一緒に食事するとあっという間に距離が縮まります」と話す。

 日本の生活を体験したい外国人旅行者は多い。2018年の利用件数は700を超えた。ゲストの出身国は42カ国、ホストは、英語を勉強中で話す機会が欲しい人や、海外ホームステイ経験があり恩返ししたい人など、さまざまだ。

「小さなつながりが、日本を多文化共生社会へうながすと信じています」(楠さん)

(文/柿崎明子、曽根牧子)