リーチ・マイケル主将 (撮影/写真部・東川哲也)
リーチ・マイケル主将 (撮影/写真部・東川哲也)

 ラグビーワールドカップ2019で史上初の決勝トーナメント進出を果たした日本(世界ランク6位)は20日に東京スタジアムで行われた準々決勝で南アフリカ(同5位)と対戦、今大会5試合目で初めてトライを奪うことができず、3-26(前半3-5)で敗れて準決勝進出を逃し、自国開催の世界舞台での戦いを終えた。

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 前日の準々決勝の結果を受けて変動した世界ランキングで過去最高を更新する6位となった日本だったが、ワールドカップ過去優勝2度の南アフリカの壁は厚く、高かった。

 南アフリカはスクラムを押し、日本ボールのラインアウトは競って、攻撃の起点であるセットプレーで日本にプレッシャーをかけてきた。

 南アフリカは前半4分、日本陣左のスクラムから、ウイングのマカゾレ・マピンピが先制トライを奪う。キック対応などからウイングの松島幸太朗(サントリーサンゴリアス)がフルバックの位置に下がり、スタンドオフ田村優(キヤノンイーグルス)が本来は松島がいるウイングの位置に立って、狭いサイドを一人で守っているところをサイズで上回る大型ウイングが突いた。

 10分、南アフリカのプロップ、テンダイ・ムタワリラが危険なタックルでシンビン(10分間の一時退出)となり、日本は数的優位に立った。20分、相手が7人で組むスクラムを押してペナルティーキックを得て、田村がペナルティーキックを決めて3-5と追い上げた。

 日本は前半、7割近いボールを保持し、プールステージでは見られなかった田村からのキックパスも交えて攻撃した。しかし、南アフリカはボールを持った選手、パスを受ける選手両方に速く、強いプレッシャーをかけてきた。日本はパスを横につなげられても攻撃のベクトルを前に向けられず、パス自体も微妙にぶれて、持ち味だった正確なプレーが出せなくなってきた。南アフリカはモールを押し、フィジカルに勝る選手がまっすぐ前進と自分たちの強みをシンプルに出してきた。

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日本にとって痛かったのは…