だいたい、「不幸な星のもとに生まれた」なんてことが分かるのなら、親は超能力者か魔術師だということですね。だったら、そんな予言しないでその超自然的な力で娘を幸福にしろよっ!と思いますね。

 そんな力がないのなら、「不幸な星のもとに生まれた」という断定は間違ってるってことですからね。

 だって、ファンタジー映画で、主人公に対して突然、男が「お前は明日死ぬ」と断定し、「誰だ、お前は!?」と問われると「ただの通行人だ。居酒屋で働いている」と答えたら、ぎゃふんですからね。予言する能力がない人間が、ただ感情に振り回されて言っても意味はないのです。

 金平糖さん。

 まず、この根拠のない呪いの言葉から自由になりましょう。そして、残りの人生に向かって、一歩一歩、歩き出しましょう。52歳は、まだまだ若いんです!

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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