ヤクルト・山田哲人 (c)朝日新聞社
ヤクルト・山田哲人 (c)朝日新聞社

 前人未踏となる3度のトリプルスリーを達成し、日本を代表する選手に成長を遂げたヤクルトの山田哲人。プロ入りした当時は履正社(大阪)の先輩、T-岡田(オリックス)がブレークしていた時期とあって、続けとばかりにファンの間では「T-山田」と呼ばれていた時期もあったが、今やその立場も完全に逆転した。

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 本塁打王1回、盗塁王3回、最多安打1回、最高出塁率1回、ベストナイン4回。走・攻・守のすべてにおいてNPBで結果を残している。十分すぎる実績であり、国内屈指のスター選手へと変貌を遂げた。

 このまま行けば、2020年中に国内FA権を獲得するため、今後の去就には注目が集まっている。所属先のヤクルトが低迷していることもあり、2019年オフのポスティング移籍直訴も視野に入れている、という話も聞こえてくるが、メジャーリーグの在日スカウトはどう見ているのか。

「当面の最大目標は20年の東京五輪出場、メダル獲得ということを公言しています。19年オフのポスティング移籍はない、と見て間違いないでしょう。しかし、その後はわからない。国内球団への移籍を含めて進路を考えていると思いますし、われわれも調査は継続しています」

 では、五輪が終わった後、満を持してメジャーリーグに挑戦したとして、「Mr.トリプルスリー」はベースボールの本場で日本のように活躍できるのだろうか。

「素材としては超一級品で、もちろん高校時代から注目していました。ただ、身体が細かったので日本向きの選手という判断でした。松井秀喜などを見てもわかるように、メジャーでチームの柱になるには、身体もある程度大きく、パワーが必要で、山田に足りないのは明白です。NPBで結果を残した松井稼頭央や岩村明憲でも、突出した成績は残せませんでした。イチローは技術が別格で、比較対象にはならないでしょう。山田の場合、向こうではつなぎ役、バイプレイヤー役を求められるはずです」

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バッティングは通用するのか?