■ロッテ(パ・リーグ4位)


補強ポイント: 太い柱になれるエース候補。田村龍弘の後釜候補

 最後まで楽天と3位争いを繰り広げ、結果的に4位には終わったものの、チームの雰囲気は上昇気流を感じる。野手では荻野貴司、鈴木大地、井上晴哉の主力三人が30代で中村奨吾と藤岡裕大も中堅だが、若手にドラフト1位で獲得した平沢大河、安田尚憲、藤原恭大の三人が控えているというだけでかなり将来が明るく見える。彼らを中心に上手く若返りを果たしていけば、魅力的なチームができ上がる可能性が高い。

 投手陣も種市篤暉、二木康太、岩下大輝の高卒右腕三人が成長してきたのが大きい。ここにドラフト1位で獲得した佐々木千隼が復活してくれば、ある程度戦える布陣になってくるだろう。

 野手は将来の太い柱が見えているだけに、優先したいのは投手になる。まずは佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)の二人に逃げずに向かい、外しても西純矢(創志学園)、宮城大弥(興南)など大物の高校生投手を積極的に狙ってもらいたい。

 投手では太い先発の柱の次に整備したいのがリリーフ陣。特にサウスポーが手薄なだけに狙いたいのは浜屋将太(三菱日立パワーシステムズ)だ。上背はないが躍動感あふれるフォームでコーナーいっぱいに投げ込む制球力も備えている。即戦力として期待できる数少ない左腕の候補だけに、ぜひ狙いたい選手だ。

 野手は来年26歳になる正捕手の田村龍弘が最も若いだけに、その後釜をそろそろ準備しておきたい。高校ナンバーワンの肩を誇る山瀬慎之助と強肩強打が魅力の東妻純平(智弁和歌山)などがその有力候補だ。特に東妻は兄の勇輔もチームに所属しているだけに、兄弟バッテリー誕生となれば大きな話題となるだろう。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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