また、内野手、特に遊撃手に看板となる選手も指名しておきたいところだ。U18日本代表の韮沢雄也(花咲徳栄)や武岡龍世(八戸学院光星)ら高校球界トップクラスのショートストップからチョイスしたい。

 U18日本代表で3番を打った韮沢にはバッティング、武岡は守備面で分があるが、スカウト陣がどう評価しているかで違ってくるだろうが、ともに魅力ある選手だ。

 他ポジションでは、小林誠司、炭谷銀仁朗、大城卓三が君臨する捕手は大卒・社会人に食い込む余地は残されていないが、高校生捕手なら将来的な選手層を考えても補強していい。奥川と小学生からバッテリーを組んでいる山瀬慎之介(星稜)を奥川とセットで獲得するのも面白いだろう。

 巨人は2019年にセ・リーグの覇者に返り咲いた。チーム力に厚みを増していくためには、若い世代をしっかり補強して、次への準備を進めていきたい。(文・氏原英明)

●プロフィール
氏原英明
1977年、サンパウロ生まれ奈良育ち。地方新聞社勤務を経て、03年からフリーライター。夏の甲子園は03年から大会をすべて観戦取材するなど、アマチュア野球に精通。現在のプロ野球選手のアマチュア時代を知る強さを生かし、プロの現場でも成長ぶりを追いかける。一方、最近では個性がどう生かされているかをプロアマを問わず観戦の主眼に置いている。近著には「甲子園という病」 (新潮新書)がある。