「マイフレーズブックは、中学の担任の先生のアドバイスで作り始めたのですが、こちらも海外ドラマ同様、どっぷりハマりました。思わずグッときたフレーズや自分もこんなことを言ってみたいと思ったフレーズを少しずつ集めていく作業が、純粋に楽しくて。男子によくあるコレクター魂、ってやつです(笑)」

 ノートにはフレーズとその和訳だけでなく、どのドラマの誰のセリフかも書き留める。その理由は「そのフレーズに適したシチュエーションやていねいさのレベルが分かり、自分が実際に使う際の参考になるから」。書き留めるフレーズは、ドラマ1 話につき一つと少ないが、自分でノートに書き出し、訳文を考え、身ぶり手ぶりも交えて音読したフレーズは、しっかり記憶に残る。

「30~50分の短い時間で、実践的なフレーズの知識が一つ身につけば十分では? それに、フレーズを書き出すために何度も一時停止していたら、ストーリーを楽しめません!」

 気づけば約3年で集まったフレーズは1500 以上。中学卒業時には、ドラマのセリフが6、7割聞き取れるようになっただけでなく、修学旅行で訪れたアメリカではドラマで覚えたフレーズを使ってホストファミリーと自然に話すことができた。

「多くのフレーズにふれたことで、文法や構文の知識も増えました。センター試験で出題されるような穴埋め問題なら、上から読むだけで自然に正解がわかるというか、感覚的に不正解のものがわかって、間違えようがなくなるんです。単語のつづりだけは別途覚えなければなりませんが、それ以外は、ほぼこの学習法で網羅できると思います」

 話し方や言い回しをまねしたい、憧れの“推しキャラ”ができると、マイフレーズブック作りは、さらに楽しくなる。例えば出口さんが「これまでに一番感情移入をした」と話すキャラクターは、「ボストン・リーガル」の主人公のアランだ。

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