具体的には、(1)よく寝る(遅い食事を避け、運動による適度な疲労など、熟睡するための工夫をする)(2)手を抜く(奉仕や我慢を減らし、完璧主義をやめる)(3)気晴らし(楽しみを実践する、友人とのおしゃべりや会食、旅行、趣味をもつ)(4)有酸素運動(少し息のあがる運動を1日1時間以上おこなう)などが挙げられます。

 こうした生活習慣の見直しでも改善がみられない場合は、ストレス源である働き方や生活のあり方、パターンを大きく変えることも必要になります。日々の業務を変えることなども一つの手段です。

 これらの積極的な生活の見直しや有酸素運動の実践により、多くの場合、めまいは1カ月以内に消失します。難聴が進行している場合でもメニエール病の進行予防は可能ですが、早期であれば治癒・改善が可能とされています。発症からできるだけ早い時期の生活習慣の見直し、ストレス源の解消が大切です。(文/石川美香子)

監修/山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学准教授 菅原一真医師

※週刊朝日ムック『「よく聞こえない」ときの耳の本[2020年版]』より