サム:ディアバルというのは、最初のころからマレフィセントのなかにある傷が見えていたんです。誰か他の人が気づくよりも先に気づいていた。同時に彼女のなかにある温かさとか、一見怖い外見なんだけどもそのなかにある柔らかさというのも他の人よりも早くに気づいていたのがディアバルだと思います。

――(ギタリストの)MIYAVIさんがアンジェリーナさんとのつながりで出演したと聞きました。

アンジェリーナ:家族付き合いをさせていただいていて、仲がいいんです。子どもたちが同じ空手クラスに何年も通っていたこともあるし、休日を一緒に過ごす仲でもある。今回彼がキャスティングされて、とても嬉しかったんです。演じるダークフェイたちは今回、映画の中で世界を象徴する存在として描きたいと私たちは考えました。そして特に美しいなと思ったのが、彼の演じているキャラクターが、子どもの面倒をみるというキャラクターになったことなんです。素敵なことだと思いました。

――続編だと前作からの縛りがありそうですが、作品から自由に制作できている印象を受けました。

アンジェリーナ:続編を作るにあたっては、「すぐに続編を作ろう」としたわけではなく、語る価値のある物語ができるまで私たちは待ちました。その一部にはオーロラの成長というのがあります。もちろん一本目で、オーロラはまだ子どもだったわけで、子どもとの関係性だったわけです。今回若い女性になったオーロラ姫との関係性が描かれていて、当然その年齢につきものの、例えば結婚だったりその先の人生の部分というのが関わってくる物語になっています。ということはもしかしたら3本目は「オーロラ姫が母になったら」という物語になるかもしれません。

 シリーズが続いていくごとに色々と縛られてしまうという話もありましたけども、例えば2本作った段階でイングランドからまだ出ていないけど、(劇中では)私たちは飛べますから、せっかく世界がこんなに広くて、割と狭い部分しか描かれていないことを考えたら、例えば日本でマレフィセントということも考えられるかもしれません。楽しいと思います。

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