竹内さんは、出雲大社の前にある大きな旅館の娘だ。高校時代に1年間、アメリカ留学をしている。慶応大学文学部英文科に受かり、そこでのバンド活動が歌手デビューにつながった。山下さんと結婚し、子育てをしながら音楽活動を続けた。

 そういう人が、年を重ね、「生きるっていいわね」「年取るっていいじゃない」と言ってくれる。しかも、英語で。ベタな励ましが、一挙におしゃれになる。それも、竹内さんだから果たせる「ノーブレスオブリージュ」。そう思った。

 感動したのが、英語の意味が分かりまくったことだ。簡単でわかりやすい英語。「ミドルオブザロード」がピンとこなかった私だから、とてもうれしかった。こういうのも、ヒットのツボだろうなー、と実感。竹内さん、「75歳くらいまでは、歌っていたいかな」と語っていた。「株式会社竹内まりや」も竹内さんも、安泰だと思う。

著者プロフィールを見る
矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

矢部万紀子の記事一覧はこちら