しかし中にはNPB所属時代にほとんど実績がなくても、独立リーグで力をつけて復帰する例もある。現在ロッテに所属している三家は故障もあって、広島の育成選手だった頃は二軍での出場もわずかだった。しかし3年間の独立リーグでのプレーを経て再び育成選手としてロッテに入団。復帰1年目に支配下登録されると、3年目の今シーズンはプロ入り初ホームランも放っている。

 またDeNAの古村も一度引退して打撃投手になりながら独立リーグでプレーを続けることを選択し、フォーム改造によってスピードが増して昨年オフに5年ぶりにNPB復帰を果たしている。また、日本人選手ではないが、カラバイヨ(元オリックス)は日本の独立リーグから二度にわたりオリックス入団を果たしている。

 決して多くはない例ではあるが、彼らのようなケースを見ると、独立リーグを経てのNPB復帰も決して夢物語ではないと言えるだろう。

 今年もこれから戦力外の通知が始まる時期となるが、多くの選手が独立リーグでのプレーを経て復活を見せてくれるようなケースが増えていくことが、日本の野球界にとってもスタンダードになることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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