増税後も引き続き採用されるICカード料金。2020年6月までのポイント還元サービス後実施される(C)朝日新聞社
増税後も引き続き採用されるICカード料金。2020年6月までのポイント還元サービス後実施される(C)朝日新聞社
「各社改定率」「初乗り運賃」
「各社改定率」「初乗り運賃」

 10月1日に施行される消費増税に伴い、JRや私鉄など鉄道各社で運賃改定が実施される。また、電子マネーなどのキャッシュレス決済限定で、利用額に応じたポイントが期間限定で開始される予定だ。間近に迫る運賃改定の概要に加え、鉄道に関連するポイント還元サービスについておさらいしてみよう。

【鉄道各社の改定率、初乗り運賃の比較表はこちら】

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■ほぼ一律に増税分が値上げ額に
 各鉄道会社では、消費税率が現行の8%から10%に引き上げられるのに伴い、運賃・料金を改定する。今回の改定は引き上げられる税率分を運賃等に転嫁するもので、各社では公式ホームページなどを通じてその具体的な内容をアナウンス中だ。

 JR東日本では、現行の運賃から消費税分を引いた額を1.1倍にしたうえで端数処理をするとしている(普通運賃に適用)。ICカード式乗車券利用では現行どおり1円未満を切り捨て。紙の乗車券類では1円単位を四捨五入し10円単位となるが、東京山手線内と電車特定区間および東京地区の特定区間相互発着の場合は切り上げ計算となる。また、「普通運賃以外の運賃・料金」については、現行の運賃・料金に108分の110を掛けたうえで端数を四捨五入する。

 同じJRグループのJR西日本でも同様だが、電車特定区間と大阪環状線内の普通旅客運賃および特定区間の普通旅客運賃は1円単位の端数は切り捨てとなり、大都市圏での運賃計算の扱いは東西で異なる。JR西日本では新幹線の隣接駅間の特定特急料金と在来線B特急料金の一部についても切り捨て計算としている。

 これら大都市圏などで異なる計算式が取り入れられたのは、税収入額を調整するため。JR西日本の場合、一律に基本改定率とすると増税分にあたる2%を超過する収入となるため、一部エリアで四捨五入ではなく切り捨てとなるわけだ。

 上昇率は各社ともほぼ同じ内容だが、それぞれ公表されているデータによれば、定期券の種類や定期券外で上昇率が異なる例もあるものの、消費税引き上げ分に相当する1.852%に収められている(表1/各社改定率)。

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切符利用の場合は据え置きのケースも