■阪神

 これまで数々の球団OBが監督候補となってきた阪神だが、その中で指揮官として最も「絵になる」のは鳥谷敬だろう。2004年の入団から虎一筋。攻守に華があり、ミスタータイガースとして鉄人ぶりも見せつけた。現在38歳。“引退勧告”騒動の末に今季限りでの退団が決まり、本人は現役続行を希望しているが、たとえ他球団へ移籍しようとも阪神の将来の監督候補であることに変わりはない。人気は抜群、インスタ映えも間違いなし。本人が現役に拘るならば、プレーイングマネージャーという形でも面白い。決して多くを語るタイプではないが、選手、ファンすべての虎党が賛辞を贈る数少ない男である。

■中日

 一定の成果を得て与田剛新監督の1年目を終えようとしている中日だが、“その次”も考えておかなくてはならない。立浪和義、山崎武司、山本昌、さらには落合博満の再登板も噂に上がっているが、“新鮮味”を重要視すると小笠原道大監督がいい。現役時代は日本ハム、巨人で長く活躍し、中日に在籍したのは最後の2年間のみの外様ではあるが、現在は2軍の監督として若手を指導。巨人時代には封印していたトレードマークのヒゲもすっかり復活している。漫画・ワンピース風に言うならば「覇気の使い手」であった「ガッツ」が、ナゴヤドームで鋭い眼光を飛ばせば、相手は震え上がり、ファンは間違いなく盛り上がる。

■ヤクルト

 小川淳司監督の退任が決定したヤクルト。有力な後任候補だった宮本慎也ヘッドコーチも同時に責任を取り、次期監督には高津臣吾現2軍監督の名前が挙がっている。もちろん高津監督に期待するところは大きいが、「盛り上がり」という意味では、ラミレス監督のヤクルト帰還が実現すれば面白い。現在、DeNAの監督として結果を残しているラミレス。巨人での活躍が彼の評価を高めたが、元々はヤクルトで人気を集めた男だ。7年間在籍したヤクルトに「ラミちゃん」が帰って来れば、神宮のファンは歓迎するはずだ。すでに監督としての能力は実証済み。今後、DeNA球団が監督交代の決断をした際には、すぐにでもオファーすべきだ。