テレビ業界人は0.1%単位の視聴率の上がり下がりに、一喜一憂している。時々、放送局内がテレビに映ると、どの局の廊下やオフィスにも番組名と視聴率が書かれた垂れ幕がかかっている。なぜなら、その数字が社員の営業成績であり、これによって収入源であるCM放映費が決まるからだ。

 特にテレビの食レポ撮影では、必ず別日や別時間にそのインサート場面だけを、時間をかけて撮影をしている。極端な話、食レポよりもインサート場面の撮影時間が長く、その重要度が高い。その場面が映ると、分単位の視聴率が軒並み上がるから、やめることが出来ないのだ。しかし、視聴者自身がその「演出」を求め、視聴率を上げている事実も忘れてはならない。(新山勝利)

新山勝利(にいやま・しょうり)
研修セミナー講師、マーケティング・コンサルタント、大学講師。日本商業学会、日本マーケティング学会、日本プロモーショナル・マーケティング学会・正会員。顧客満足を高める売場づくり、販売促進、店舗の活性化(ミステリー・ショッパー、マニュアル作成)のノウハウを提供する。メーカーのリテール・サポートにはじまり、全国の商工会議所など団体組織、広告代理店、卸売業、量販店、チェーン店等でコンサルティングを展開。他業界の豊富な成功事例の写真や図表を用いた、わかりやすい理論的な説明が特徴。飲食店の経営者経験もある。食べログで3.50点を達成するため、飲食店のコンサルティングでは、点数を分析したデータ主義で売上向上をはかる。また多数の専門誌に執筆。著書に『売れる商品陳列マニュアル』(日本能率協会マネジメントセンター)など。ホームページはhttp://www.ureru.jp/