「黄金世代」の中心的存在となった渋野日向子 (c)朝日新聞社
「黄金世代」の中心的存在となった渋野日向子 (c)朝日新聞社

 国内女子ツアーは、「黄金世代」の活躍が目覚ましい。AIG全英女子オープンを制し日本人として42年ぶりのメジャー優勝を成し遂げた渋野日向子や、先日の日本女子プロゴルフ選手権で優勝した畑岡奈紗を筆頭に彼女たちの席巻ぶりは目を見張るものがある。

【渋野と同じ1998年生まれ、美貌が際立つ臼井麗香プロ】

 ゴルフにあまり興味がない方々のためにお伝えすると、「黄金世代」とは1998年4月から99年3月生まれのツアーでプレーする女子プロたちを指す言葉だ。渋野は1998年11月15日生まれの20歳、畑岡は1999年1月13日生まれと、この「黄金世代」にドンピシャで、世代を代表するゴルファーと言える。

 そもそも「黄金世代」という言葉が出始めるようになったのは2016年後半くらいからだろう。この年の日本女子オープンで、当時高校3年生だった畑岡が史上初のアマチュア優勝を達成。2017年のプロテストでは合格者22名のうち、なんと半数の11名が「黄金世代」で、その中には勝みなみ、新垣比菜、小祝さくら、淺井咲希が含まれる。

 2018年になるとサイバーエージェントレディスで新垣が、CAT Ladiesでは大里桃子が初勝利。その後もTOTOジャパンクラシックで畑岡、大王製紙エリエールレディスオープンで勝が優勝し、トップ選手としての存在感を発揮した。そして今季になると、「黄金世代」はさらに躍進。9月22日現在で河本結、原英莉花、小祝、淺井が1勝、勝が2勝、渋野は3勝をすでにマーク。6人が現時点で優勝しており、その勢いは増すばかりだ。

 もちろん国内ツアーには賞金女王を争う申ジエやイ・ミニョンの強豪韓国勢や鈴木愛、成田美寿々といった実力者が揃っているし、見事に復活を果たしている上田桃子らベテランも健在だ。しかし「世代」で括ると「黄金世代」は頭一つ、いや二つほど人気と存在感、そして数で抜けていると言える。

 彼女たちの存在は、そのままツアーの若返りにも大きな影響を及ぼしている。今季のシード選手50人の平均年齢は26.4歳で、2013年の26.7歳を下回り2001年以降では最少。ベテランがシード落ちしたこともあるが、低年齢化は「黄金世代」が要因の一つになっているのだ。

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「黄金世代」の強さの秘密は?