「ニューヨーク郊外にあるトレーニングセンターで基礎からマイクまですべて教えられる。でもそこでの練習は実戦というか、実際に身体を動かすこと。それ以前の身体作りはいわば自己責任。少しでも見た目が悪かったり動けなかったりすると、クビの世界。選手個々が理解しているから、ウエイトなどは各自が欠かさない。そういう拠点がイギリスにもできた。今度は日本にもできるという話がある」

 さまざまな方法を駆使し、世界中から素材を集めて育成する。世界最大のプロレス団体ができあがるはずだ。

「以前はWWEの日本大会があると、トライアウトが行われた。参加資格は20代前半、身体が大きく、ルックスが良いこと……。仮にプロレス経験者じゃなくても、こっちで色付けはなんとでもできると言う。それは育成や売り出し方に大きな自信がないとできないこと。だからWWEが日本に拠点を作ったらどこの団体も勝てない。同じようなことを女子でもやろうとし始めている」

 TAKA自身は選手を育てるプロデューサーの立場として、今後はどう考えているのか。

「本物のレスラーを作りたい、という気持ちはブレない。大技に頼ってそれを乱発するのではなく、プロレスラーの凄みなどがしっかり伝わる本物。本物の選手は自団体だけでなく、他団体、そして海外に行っても十分にやれると思う。そういう選手が揃う団体になれば、お客さんも集まってビジネスもうまくいく。これからは女子の需要も高まっていくはず」

 野球やサッカーでも行われている、「選手を育てて売る」団体になる可能性もあるのだろうか。

「かつてWWEが育てた選手をライバル団体WCWが資金力で引き抜きまくった。でも最終的にはWWEが勝ち残って、逆にWCWを買収した。自前で選手を育てることのできる団体は強いし、それが一番大事。その上で選手自身が他団体や海外で経験を積むことはプラスしかないし、レスラーとしてのハクもつく。だから仮に海外へ挑戦したいという選手が現れたら、僕はどんどん行かせると思う」

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海外からの新しい刺激