2016年スターダム在籍時、ムーンサルト・プレスを決める紫雷イオ (c)朝日新聞社
2016年スターダム在籍時、ムーンサルト・プレスを決める紫雷イオ (c)朝日新聞社

 女子プロレスがすごい。世界最大のプロレス団体WWEは昨年10月28日、女子だけのペイパービュー大会「エボリューション」を開催。そして今年4月8日、世界最大のプロレスショー『レッスルマニア35』(ニュージャージー州メットライフ・スタジアム)では、女子が初めてメインイベントのリングに立った(ロウ女子&スマックダウン女子王座戦)。この日は実に8万人以上のファンが会場に訪れ、会場は熱狂につつまれた。WWE側の女子プロレスへ対する本気度の高さがわかるだろう。その中で旬の扱いを受け、大いなる期待をされているのが、日本人女子レスラーたちだ。

 現在、WWE所属で活躍するのがアスカとカイリ・セイン。日本マットで活動していた2人は渡米後、アスカはWWEデビューから267連勝の大記録を樹立。カイリ・セインは同団体のセカンドブランドNXT女子王者を狙う位置にいる。2人は『レッスルマニア35』に揃って出場も果たし、今やWWE女子の顔とも言える。また日本時代から『天才』と呼ばれた紫雷イオも加入、現在はヒールとしてキャラを確立しつつある。

「WWEが本気で女子プロレスを売り出して、ビジネスにしようとしている。ここまでやるとは正直、想像していなかった」

 語ってくれたのは、アメリカマットで鮮烈な活躍をしたTAKAみちのく(TAKA)。TAKAは、日本マットではみちのくプロレスや新日本プロレスで活躍。97年からWWE(当時WWF)へ所属し、同年WWFライトヘビー級王座奪取、98年『レッスルマニアXIV』には日本人初出場を果たす。その後、00年プエルトリコで『KAIENTAI DOJO』を設立、02年WWE退団後に現地撤退し、国内・千葉へ拠点を移転した。現在は同道場を抜け、新団体『JUST TAP OUT』を営む。生涯現役選手として今も数々の経験を積み、プロデューサーとして多くの選手を育てている。国内外のプロレス事情に精通しているTAKAに聞いた。

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昔は見た目重視の余興だったが…