福岡が2010年度に花園に出場したときの監督が、高校の先輩の森重隆だった。森は福岡高校から明治大、新日鉄釜石に進んでいる。新日鉄釜石時代は日本選手権4連覇を果たした。2019年、森は日本ラグビーフットボール協会会長に就任している。福岡は東京五輪終了後、医師の道に進むと公言している。

 広瀬は最近、TBSドラマ「ノーサイド・ゲーム」にラグビー選手役として出演して話題になった。山田はファッションモデルの妻と「踊る!さんま御殿!!」「行列のできる法律相談所」などのバラエティー番組に出演している。今泉は宝塚出身の女優、涼風真世と夫婦だったことがある。

 ワールドカップの歴代日本代表の出身高校はさすがにラグビー強豪校が多いが、大学ほど一極集中する傾向は見られない。帝京大、少し前の同志社大のように。

そして、もっとも特徴的なのが、上位校に大阪、京都といった関西勢が多いことだ。高校ラグビーの世界では西高東低がくっきり示されている。

 一方、歴代日本代表の出身大学ランキングは、早稲田大、明治大、法政大、関東学院大、そして帝京大が上位に並んでおり、東高西低となっている。これは、関西、九州のラグビー強豪校の優れた選手が関東の大学に流れたことを意味する。

 最近、関西勢の大学が大学選手権優勝から遠ざかっている。1984年度に同志社大が優勝したのが最後だ。ラグビーの強い関東の大学に進みたいと望む高校生ラガーマンが増えたことと、東高西低は十分に関係がありそうだ。

 日本代表が高校生だったころの活躍を知るのは興味深い。原点を高校時代に見ることができよう。エピソードもたくさんあるはずだ。ワールドカップの一つの見方として日本代表を出身高校から見るのもおもしろい。

(文=教育ジャーナリスト・小林哲夫/選手名は敬称略)