――そのやりたいことが今、かなっているわけですね。

ムロ:そうですね。自分の性格上、仕事でもプライベートでも、やりたいことをしっかり持っておかないとダメなんだろうなと常々思っていて、「やりたいこと」をしっかり考える時間を持つようにしているんです。このときも作文のテーマとして考える時間があって良かったなと思います。

天海:私は幼稚園のころからお芝居をする人になりたいと思っていたので……。

ムロ:おお、すごい!

天海:今は、そうなりたいと思っていた自分以上のものになれていて、感謝しかないですね。感謝して毎日過ごさないとバチが当たるんじゃないかと。だって! 小百合さんと映画まで出ちゃった! ねえ、本当にこんなこと無いですよ。

――そこにたどり着くまでには、挫折やうまくいかない時期も、もしかしたらあったかと思います。そのときに支えになっていたものは何かありましたか。

ムロ:僕は19歳で役者になると決断したときの自分ですね。できる・できないとか、なれる・なれないじゃなく、本当にやりたいかどうかを繰り返し繰り返し自分なりに考えて、やると決めて、当時通っていた大学を辞めたので。そのときの自分を笑わせてあげたいということだけですね。決断したときの景色は覚えていますよ。キャンパスが見える喫茶店で。その駅を通ると、やっぱり思い出しますね。

天海:そのたびに初心に戻るんだね。

ムロ:この映画の中で、吉永さんと2人のシーンがあるんですが、実はそこから大学のキャンパスが見えたんです。それを背景に、写真を撮ってもらいました。もう、19歳の自分に見せたい!

天海:私は、お芝居をする人になりたいと思ってから、何となくそちらに動かしてもらって、わーっと宝塚歌劇団に入れて頂きました(笑)。そこで20歳のときに、とても大きな抜擢をしてもらい、今思えばもっとがんばれたと思うんですが、その時は右も左もわからないまま必死でした。当時の私がそこを通って来たからこそ、今の自分があると思っています。だから今でも、やるべきことを必死にやらないと、その時の自分に示しが付かない。それが私の支えになっています。お芝居する人になりたいと思ってくれた、幼稚園のときの自分と、2人の自分を納得させるためにも、いただいたお仕事をきちんと一生懸命やらなきゃいけない。まずは自分だよね。

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互いの「死ぬまでにやりたいことリスト」に加えてほしいこととは?