中国国鉄でもWEB予約システムが利用できる。こちらは決済と引き換えに発行されたバウチャーを駅窓口に提示して乗車券を受け取る仕組みで、いわば「JR型」といえる。

 手荷物のセキュリティーについては、確かに盗難などを心配する声をよく耳にする。自分の座席の背後はともかく、デッキ部分に置くのをためらう人も多いに違いない。

 ひとつ言えるのは、財布やパスポートなどの貴重品は、そうした別置きのバッグなどに入れるべきではないということである。これは航空利用で預け荷物とする際にも常識。実際に、航空利用で預け荷物を紛失された(盗難を含む)例は決して少なくない。

 ただ、航空の場合には、十分とはいえないまでも一定の保障が約款に規定されている。JR3社が2023年度に導入予定の「荷物コーナー」は、特に記述がないので無料で利用できると思われるが、もし有料サービスになるとすれば、万が一の際の保障について議論が出てくる可能性もあるかもしれない。

 今回の新サービス。全般的にはユニークで利便性向上にも寄与するのではないかと考えるが、訪日客の大型荷物を前提に含めているのなら、予約などの関連システムを含め、より進化させる必要があるのではないだろうか。(文/植村 誠)

○植村 誠(うえむら・まこと)/国内外を問わず、鉄道をはじめのりものを楽しむ旅をテーマに取材・執筆中。近年は東南アジアを重点的に散策している。主な著書に『ワンテーマ指さし会話韓国×鉄道』(情報センター出版局)、『ボートで東京湾を遊びつくす!』(情報センター出版局・共著)、『絶対この季節に乗りたい鉄道の旅』(東京書籍・共著)など。